レンズカプセルはレンズ細胞の基底膜を含み、物理的に単離可能な組織である。Ⅳ型コラーゲンは基底膜の主要なコラーゲンであり、レンズカプセルから酢酸を用いて抽出可能である。19以上あるコラーゲンの分子種の中でその存在量が最も多いⅠ型コラーゲンは、組織から抽出後整理条件にて温度を上げることにより再会合してゲル状を呈することが報告されている。他の型のコラーゲンがin vitro にてゲル状を呈した報告はない。ここでは整理条件とは大きく異なるが牛レンズカプセル由来Ⅳ型コラーゲンが2Mグアニジン塩酸、10mMジチオスレイトール現在下にて再会合し、ゲル状と呈することを見いだしたと報告した。2Mグアニジン塩酸、10mMジチオスレイトールはむしろ一般的には生体高分子を分散する条件でありⅣ型コラーゲンに特徴的な興味深い現象であるとかんている。