大学男子バドミントン選手(29名)を対象とし、腹筋肉ばなれの発生因子を明らかにすることを目的とした。事前の損傷調査の結果をもとに、腹筋肉ばなれ既往あり群(7名)と既往なし群(22名)とに分類した後、整形外科的メディカルチェックを実施し、二群を比較検討した。その結果、大腿四頭筋のTightness(HBD)は腹筋肉ばなれ群が有意に高値を示した。加えて、膝関節屈曲および足関節背屈可動域では腹筋肉ばなれ群が有意に低値を示した。以上の結果から、大学男子バドミントン競技における腹筋肉ばなれには大腿四頭筋のタイトネスと膝関節屈曲、足関節背屈制限が関与していると推察された。