『義経記』に見る都市性の問題 -始原としての「熊野」と異形・バサラの世界-
中世文学第36号(中世文学会)
『義経記』は、悲劇的な義経の生涯を辿るという主題の悲壮さというものがありながら、各所で朗らかで明るい印象を与えてくれる。この明朗なるものが拠って立つ基盤を、自由・バサラ・華飾といった特質と関わる<都市性>ということから論じた。都市の文学として『義経記』を捉える試みである。
p.89~p.103