世界柔道選手権に出場した女子柔道選手とその補欠選手を対象に、これに向けた最終強化から調整に至る強化とテーパリングが彼女達の身体的・精神的コンディションに及ぼす影響とその適正を血液生化学検査値及び心理テストから検討した。その結果、全日本女子柔道選手が世界選手権に向け実施した最終強化合宿は、選手に著しい身体的、精神的疲労をもたらす可能性が示唆された。一方、今回選手が行った合宿後約10日間のテーパリングは精神的疲労と筋疲労を中心とする身体疲労を適切に回復させ、選手たちはより良好な精神的・身体的コンディションで世界選手権を迎えられた可能性が示唆された。