ウェイトリフティング競技では、短時間の爆発的な筋パワーが要求される。このような特性から、他の競技スポーツ選手であっても、競技力向上を目的としたストレングストレーニングの手段としてオリンピックリフティング(クリーン&ジャークおよびスナッチ)が用いられる。スクワット動作もオリンピックリフティング動作と同様に、脚伸展パワーが必要とされるものの、動作スピードや発揮パワーには差異が認められる。本研究では、ウェイトリフティング選手を対象として、競技パフォーマンスおよびスクワットの1RMと異なる速度での脚伸展パワーとの関連性を検討することを目的とした。さらに、競技パフォーマンスと発揮パワーの関係についての性差を検討する。対象者は、ウェイトリフティング選手24名であった。脚伸展パワーの測定には、油圧式等速性レッグプレスマシン(竹井機器)を使用した。設定速度は0.4m/s(低速度条件)、0.8m/s(高速度条件)とした。両脚同時伸展による試技をそれぞれ2回行い、ピークパワーが高い試技を分析した。男性では、高速度条件において低速度条件よりも競技パフォーマンスおよびスクワット1RMと高い相関関係がみとめられた。一方で、女性は対照的であった。低速度条件において発揮された脚伸展パワーは、女性よりも男性において比較的低い値を示した。速度条件の違いによって、競技パフォーマンスとの関連性や発揮される脚伸展パワーの性差がみとめられた。