本研究では、自律訓練法(AT)初心者のアスリートを対象としたATと自律フィードバック訓練法(AFT)の心理・生理的特徴について明らかにすることを目的とした。検討した結果、両実験条件に顕著な違いがみられた幾つかの指標の特徴を以下に示す。(1)二次元気分尺度の「ポジティブ覚醒」は、AFT条件では温感練習中に高まったが、AT条件では変化しなかった。(2)温感練習に対する動機づけの主観的評価は、AFT条件のほうがAT条件よりも高かった。(3)重感・温感の主観的評価は、AT条件のほうがAFT条件よりも高かった。