本研究では、欧米文化の相互独立的自己観と日本文化の相互協調的自己観の特徴が顕著にあらわれることが予想される集団競技のサッカーを対象とし、サッカー先進国であるドイツで日本人指導者がプロフェッショナルの指導者として成長し、活躍していく過程を明らかにした。そして、日本人指導者がサッカー先進国で如何にして活躍できるのかについて検討した。その結果、“言語習得”“ドイツ人・文化理解と受容”“日本人・文化理解と受容”“効果的な指導方法の追求”“指導力向上のための学習継続”“民族差別に対する理解と受容”“自己の特性把握”“選手の特性把握”の8つのカテゴリーが抽出され、それらのカテゴリーを含んだ構造モデルが構築された。