本研究の目的は、閉眼と開眼で行なう随意筋の緊張と弛緩が心臓自律神経活動にどのような影響を及ぼすのかについて明らかにすることであった。実験参加者の成人男性13名には、漸進的弛緩法(Progressive Relaxation:以下、PR)を基本とし、随意筋の緊張と弛緩を繰り返し行なわせた。その結果、実験後安静のCSI値は実験中より有意に低かった。実験中の読書のCVI値は閉眼PRと開眼PRより有意に低かった。また、開眼PRにおける実験前安静のCVI値は実験中と実験後安静より有意に低かった。以上から、閉眼と開眼で行なうPRはCVIに異なる特徴をもたらしたといえる。