筆者らは、体操で美しさを求めることの教育的意義について、暴力論とプラトンの美理論を援用して主に哲学的、文化論的、教育学的、社会学的観点から考察した。
その結果、美しさを求める教育は感性の教育に等しいこと、そしてそこでは同時に道徳教育に格好の手段であるということが確認された。また、教育の現場では、本能(個性)と理性(規則性)の両面をバランスよく育むことに留意すべきであるという点が確認された。
よって本研究では、以上のような知見から、現行の美しさを求める体操指導において留意すべき点として命令や、号令による抑圧的な指導から音やリズムによる指導への転換の必要性が示唆された。