学術論文

基本情報

氏名 稲川 郁子
氏名(カナ) イナガワ イクコ
氏名(英語) INAGAWA Ikuko

名称

柔道整復師国家試験と嘉納治五郎の思想:2022年版出題基準小項目「柔道の理念」より(査読付)

単著・共著の別

単著

発表年月

2023/02

発表雑誌又は発表学会等の名称

柔道整復接骨医学 in press

概要

本研究は、柔道整復師国家試験出題基準(2022年版)に含まれる柔道に関する項目について、文献的考察により嘉納思想と柔道整復業務の関連について整理、解釈を加えることを目的とした。嘉納治五郎は柔道の目的について、体育・勝負・修心の3項目を挙げ、後に遺訓とされる言説では「己を完成し世を補益するが柔道修行の究竟の目的」と述べた。精力善用(精力最善活用)は、徳性に偏った解釈がなされる場合があるが、嘉納は、武道の攻防におけるいわゆる柔の理に限界を感じ、心身の力(精力)を最も有効に使用 (最善活用) する理解に到達したことが知られる。精力善用思想から、愛護的、また合理的であることを求められる柔道整復師の「骨接ぎ」の技術に共通する前提の仮定が可能であった。柔道整復師には、柔道整復術を通じた「己の完成と世の補益」が求められ、その他出題基準に含まれる自他共栄、尽己竢成、順道制勝の思想は、いずれも柔道整復師倫理綱領に通底する理念である。柔道整復師学校養成施設においては、職業倫理などと関連づけながら、国家試験対策に留まらない嘉納思想の理解と教育が求められる。

共著者

 

掲載ページ数

単著につき全編を執筆