その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 稲川 郁子
氏名(カナ) イナガワ イクコ
氏名(英語) INAGAWA Ikuko

翻訳書、学会発表、講演等の名称

柔道の「形」にみられる当身技に関する考察

その他分類

国内学会発表

単・共の別

発行または発表の年月

2019/09

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

日本体育学会 第70回大会(東京)
予稿集p272

概要

柔道は、嘉納治五郎が殺傷の手段である柔術から危険な要素を取り除き、安全性の高い要素を抽出して教育的価値を付加し普及させたことは広く知られている。現在普及している競技としての柔道には、危険要素である当身技は含まれていない。嘉納は、柔道の持つ教育的側面を重視する一方で、武術としての柔道も重視していた。嘉納は、柔道の稽古法には乱取、形、講義、問答があるとしたが、このうち乱取と形について、乱取に偏重する傾向のある修行者に対し、どちらに偏ることなく稽古する必要性を繰り返し説いている。嘉納の主張は、現代においては「柔道修行者の教養としての形」を軽視することへの戒めの文脈で語られることが多いが、嘉納は、修行者が当身技を軽視することによる柔道の武術性の風化を恐れていた。急所を狙い殺傷能力の高い当身技を、嘉納は、柔道の創始から晩年に至るまで重視し続けた。本発表では、柔道の7種の形に定められた身体動作のうち、当身技による部分について考察した。

共著者等

稲川郁子,畑山元政

掲載ページ数