「柔の形」強化選手における運動器外傷・障害の実態
第6回柔道医科学研究会 INTERNATIONAL JUDO MEDICAL SYMPOSIUM 2018(全日本柔道連盟医科学委員会主催、東京) 抄録集p26
「柔の形」競技者に生じる運動器傷害の実態についての報告を目的とした。疼痛が「今ある」「以前あった」と回答した者は73.9%であった。原因となった施技は、肩廻、両手取、片手取、帯取、両眼突などで、いずれも部位は腰部が多数を占めた。「柔の形」が穏便で合理的な形であることは言を俟たないが、採点競技としての「柔の形」に取り組む者には高率に運動器傷害が発生する。競技者および指導者は、本競技が運動器、特に腰部傷害の危険性が高いことを十分に認識しておく必要がある。