講道館柔道の7種の形は「理合い」を動作で説明するものであり、いずれも無理のない合理的な動作が精選されている。形の指導には「理合い」、「間合い」等の語が多用されるが、これらの語は具体性を欠き、特に初心者の指導においては有効でない場合がある。「理合い」や「間合い」が武道の修行上重要な概念であることは言を俟たないが、指導者はその概念を反映した動作を、修行者の思考や成長を狭隘化しない範囲で具体的に指導することが望まれる。本研究では、上級者と初心者を同じ角度から撮影した画像で確認する方法、上級者と初心者の動画を交互に確認するフィードバック、講道館が発行している教本の活用など、形の具体的指導の例について報告した。