上腕骨骨幹部投球骨折は成人男性に多発し、筋力が弱く野球人口も少ないため、女性にはまれである。女性ソフトボール選手に発生した同骨折に対し、hanging castとfunctional braceを用いた保存療法を施行し、競技復帰のための運動療法を行った。上腕骨骨幹部投球骨折患者を競技に復帰させる場合、骨は単に癒合するだけでなく、充分な強度を回復していることが求められる。柔道整復師が治療を行う場合、骨癒合にのみ主眼を置くのではなく、非荷重骨である上腕骨の強度回復に配慮しながら、特に運動療法に重点を置いて治療を進める必要がある。