特有な転位を呈した第5中足骨骨幹部骨折の2症例

第13回日本柔道整復接骨医学会

"第5中足骨骨折は下駄骨折、ジョーンズ骨折に代表されるように臨床的に骨折の多い骨である。
今回経験した2症例はともに骨幹部骨折ではあるが転位の形態が特有であった。文献的には同部位の骨折はバレーダンサー骨折ともよばれ、つま先立ちの肢位で足部に捻転力が加わると発生しやすいと考えられる。また2例とも第3骨片を有していたが、骨片の発生メカニズムについては文献を渉猟できず今後の検討課題である。治療に関しては2症例とも保存療法で良好な経過が得られており、接骨院においても十分治療の対象となり得る骨折であると考えられた。

小林喜之、樋口毅史、服部辰広、蓮沼鉄也、櫻井規子、浅谷健介

柔道整復・接骨医学13(3)236