股関節前方脱臼の1症例
第27回日本柔道整復接骨医学会
外傷性股関節脱臼は日常遭遇する機会が少ない外傷であり、中でも前方脱臼は後方脱臼と比較して極めて少ない。発生頻度の低い要因として、股関節は骨形態的に安定し、靭帯性関節包によって補強されているため、交通事故やスポーツ活動等のような高エネルギー損傷でないと発生しにくい背景がある。今回、柔道大会の救護活動中において、過去に左股関節前方脱臼を経験した選手が試合中に同部位の前方脱臼を再受傷し応急処置を施したので、症例報告とともに発生因子の検討を踏まえて報告した。
小林喜之、吉田裕輝、小枝宰