2008年~2012年シーズンに塩沢スキー診療所を来所した患者の総数は1995名で,二次または三次救急医療に搬送された重傷外傷者数は19 例で,平均年齢は32.3±11.9歳であった.外傷部位は腰部8例,上肢6例,下肢3例,頭部2例であった.競技別ではスキーが3例,スノーボードが14 例,その他が2例であった.スキー診療所における一次救急医療は外傷者にとって有益であり,受傷現場での適切なトリアージがスキー場の運営の安定,地域医療機関にかかる負担の軽減に繋がっていた.スキー場で発生する重症外傷例は,競技設備でのスノーボードでの発生頻度が最も高く,転倒時の受傷機転での衝撃が影響しているものと考えられた.