維持透析患者(以下HD患者)の骨代謝異常によるADLの低下について,骨代謝と日常生活活動の関連を検討した.対象は男性HD患者11名で、血液検査による骨代謝評価として,int-PTH,TRACP-5bを測定した.また,日常生活活動については,FIM,小澤らによる移動動作時の自覚的困難さ(HD-PDADL)で評価を行った.int-PTHは152.5pg/ml,TRACP-5bは466.0mU/dlであった.ADLはFIMで33.5点であった。また、HD-PDADLでは39.2点であった.ADL得点と骨代謝マーカーに有意な相関はみとめられなかった.男性HD患者では,移動に関わる自覚的困難さを感じており,運動機能は低下傾向にあった.骨吸収が亢進傾向であったことから,転倒によりADLを低下させる可能性があると考えられた.