スノーボード滑走中の転倒における頭部と体幹の運動学的情報を得ることを目的とした.初級スノーボーダーの頭部後面中央部,肩甲骨中央部に小型無線多機能センサ(TSND 121; ATR-Promotions)を装着し,フリースタイル滑走を撮影した.映像内の前方転倒10パターン,後方転倒10パターンを対象とし,それらの頭部と体幹の3軸の角加速度を算出した.転倒時の頭部と体幹の最大角加速度は,3軸で後方転倒が前方転倒よりも有意に大きかった.頭部に4,500 rad・s -2以上の角加速度がかかると,脳に何らかの障害が生じると考えられている.今回の転倒パターンでの頭部の3軸の合成角加速度の最大値は2,500 rad・s -2以下であった.