本研究はこれまでのオリンピック・パラリンピック教育の具体的な取組を整理し、各教育委員会のオリンピック・パラリンピック教育の取り組みについて調査結果から、オリンピック・パラリンピック教育の現状と課題を明らかにすることを目的とした。
各教育委員会のオリンピック・パラリンピック教育の取り組みについての調査結果では、「オリンピック・パラリンピックそのものについての学び」について小学校と高等学校では2.5割、中学校では3割弱の学校での実施が確認されたが、一般での実施は1割強であった。具体的な内容を見ていくと、小中学校では最も実施が高い内容は「選手の体験・エピソード」であり、高等学校では「オリンピック精神」、一般では「パラリンピックの意義」であった。「オリンピック・パラリンピックを通じた学び」については、小学校では3割強、中学校では3割弱、高等学校では2.5割が確認されたが、一般は1.5割強での実施であった。具体的な内容を見ていくと小中学校では最も実施が高い内容は「チャレンジや努力を尊ぶ態度」、高等学校では「他者への尊重や自己実現」、一般では「スポーツが個人や社会にもたらす効果」であった。
今後は、オリンピック・パラリンピック教育の具体的な内容の研究や継続調査を行いながら、本学がそれぞれの現場に対してできること、またレガシーとして残せることを検討していきたい。