本研究の目的は、体育系大学に通う学生の不安感の特徴、属性ごとの不安要因を明らかにし、これからの体育系大学生へのサポートの一助にすることである。
体育系大学生549名に対して、藤井(1998)が作成した大学生活不安尺度を用いてアンケート調査を行った。その結果を用いて、因子分析を行ったところ「大学不適応」、「大学生活」、「留年」、「学習」、「人間関係」の5因子が抽出された。また、これらの5因子と大学生活不安尺度を用いて「性別」、「入学形式」、「部活動」の3つの属性で比較したところ、属性で不安度合いや要因が異なることが明らかになった。特に差異が見られたのは、部活動所属群の中で「スポーツ推薦」と「スポーツ推薦以外」で比較したものであり、「スポーツ推薦以外」の学生の方が不安は強いことが明らかになった。
さらに、大学生活不安上位群と下位群で比較を行った結果、「大学生活」因子の項目「必修科目の単位」・「授業単位」に差が見られ、単位に対しサポートを強化する必要があると考えられる。