本研究は、保健体育科教員が職務において「誰」から「どのような期待」を最も受けているのか、また、保健体育科教員の職務においての「行動」と周囲からの「期待」には関係性があるのかを保健体育科教員の認識から明らかにすることを目的としている。調査対象者は、A地域の公立中学校に勤務する保健体育科教員105名であり、保健体育科教員の行動、受けている期待、対象者に関しての項目について調査を行った。
調査の結果、保健体育教員は「生徒指導」において最も行動をしており、自身の行動については「学校・管理職」から最も期待を受けていると認識していることが明らかになった。先行研究では保健体育教員に対する期待や評価は「生徒指導」と「部活動指導」が中心であると言われていたが、今回の調査では「生徒指導」と「教科指導」という結果となった。つまり、保健体育科教員の期待には差異がみられることが明らかとなった。