本研究では指導者Aの指導を受けた部員に対する調査から、指導者のリーダーシップが選手に与える影響について明らかにすることを目的とした。
分析の結果、指導者Aに変わってから、チーム一丸となって試合に臨めたという選手たちの発言が多く、またLSSの「民主的行動」因子得点も高くなった。つまり、指導者Aの民主的行動を促すような指導がチームの一致団結に影響を与えたと考えられる。さらに、指導の一貫性に関連した発言が多く、LSSの「トレーニングと指導」因子得点も高くなった。このことから、一貫性のある指導が選手のモチベーションやスキルの向上につながっていると推測する。
以上のことから、指導者Aの「民主的行動」、「トレーニングと指導」のリーダーシップが選手に影響を与え、A大学サッカー部の好成績に繋がったと考えられる。