教科としての「保健体育」の史的考察
東洋法学56(3)
「保健」という科目が、日本の学校教育の中で、いつ頃から、どのようにカリキュラムの中に採り入れられるようになったのかを、史料をもとに検証している。「保健」という言葉こそ使用されてはいないが、明治維新以前より、すでに日本には衛生の概念が定着していた。その後、戦争とともに、保健は体育とともに教科の中に位置づけられながら、発展をしていく。そして、今日では、ヘルスプロモーションの概念が導入され、集団の健康から個人の健康への重視の中で、教科としての保健教育が実施されていることを示している。
pp.326-309