本研究は剣道防具「面」について、人体の各部位や自然界に広く分布し日和見感染、化膿性疾患や、食中毒の起因菌として注目されているグラム陽性球菌Staphylococcus属に着目し、迅速自動細菌検査装置により、それらの同定を試みたものである。その結果「面」の顎部領域からは年間を通じて、11種のStaphylococcusが検出された。一方、年間を通しての研究結果から、多彩な感染症と食中毒を起こすことが知られている病原性黄色ブドウ球菌S.aureusは、剣道防具「面」の顎部領域から分離されないことが初めて明らかになった。