剣道の「手の内」に関する研究-素振りにおける手首の「しぼり」の分析を中心として-
日本体育大学紀要 15(1)
剣道において、打突時における刀または竹刀の握り方(手の内)は手拭を絞るように、両手を内側に絞ると説明されてきた。この動作の様式は素早く打突運動が発揮され、さらに力の伝達が有効と考えられ、伝えられてきた。上記の問題を検証する試みはいくつか成されてきたが、絞る動作に焦点をあてた力の加え方についての研究は見られない。そこで本研究では独自に絞り込む力を計測できる装置を考案し、「素振り」の運動時に竹刀および木刀の柄に加わる合成トルクを測定した結果、従来の教え以外である外絞りの力が検出された。
原義克,高野一宏,八木沢誠,袴田大蔵,志沢邦夫,小倉貢,安部泰人,山本唯博
日本体育大学紀要第15巻第1号 p.29~p.33