戦後日本における女子剣道は、終戦直後において剣道の復活を果たすべく試みられたスポーツとしての剣道、すなわち「しない競技」が男子のみならず女子に実施されたことで、それに通ずる剣道への関心が戦前においては剣道にほとんど携わることのなかった女子にも次第に抱かれ、昭和30年代頃からすこしずつ剣道を行う女子が増え始め、その後の女子剣道の隆盛へと繋がっていったと思わなければならない。つまるところ、剣道の全面禁止によって誕生した西洋の合理性を取り入れた方法と伝統的技法が融合してしない競技が誕生、これが当初から女子をも対象にしていたことから、女子のための剣道の道が拓かれたと考えるべきである。