剣道における打突動作に最も直接的に関与する要素は、いわゆる「手のうち」である。それは竹刀の保持方法、及び打突時における両手の緊張、弛緩の状態と解されており、手拭を絞るように「内側にしぼる」という理解が一般的である。しかし、手のうちの問題は剣道において重要視されつつ、手のうちの「しぼり」に関する研究はほとんど着目されていないと言えよう。そこで本研究では「面打ち」における手のうちに着目し、両手の「しぼり・かえし」によって竹刀の柄の部位に生じるトルク値をもとに「手のうち」に関して検討を加えたものである。