「資質・能力」論の構図―資本主義という基底(査読付)
『教育哲学研究』第119号、7-12頁
新学習指導要領の「資質・能力」は、歴史的に積み重ねられた重層的な構造を有している。生きる力以来の<新しい能力>を基層としつつ、非認知的能力の育成可能性というエビデンスにより、格差拡大という従来の批判に応える新しい層が付け加えられた。また能力の内容でも、イノベーションを常態化する現代資本主義の展開への呼応という新しい層が目立つ。だが、「能力」の商品化という資本主義の構造を基底にあることも見落としてはならない。
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