マルクス主義からマルクスへ―いわゆる「全面的発達」の批判的検討(査読付)
『近代教育フォーラム』第21号、1‐14頁
「全面的発達」はマルクスが提起した教育目的として理解されてきた。しかし、マルクスのテクストには厳密には「全面的発達」という述語はない。しかも、マルクスは全面的発達した個人は資本制的生産様式によって実現するものと書いている。本論文は、マルクス主義の「誤読」の原因が発達を教育目的として自明視する思想的枠組にあることを指摘し、マルクス自身のテクストに拠ってマルクス自身の教育思想の復元に努めた。
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