戦後道徳教育における『期待される人間像』
『人間研究』第48号、21‐30頁
戦後の道徳教育は、冷戦構造に規定された左右の政治イデオロギーの対立として描かれ、その思想的内実は必ずしも明らかにされてこなかった。本論文は、右派イデオロギーと裁断されてきた「期待される人間像」が左右の政治対立を超える意図を以て書かれ、しかもその意図を一定程度達成していることを明らかにしたものである。「期待される人間像」は近代の限界を直視することから出立しており、ポストモダンの出発点に位置づけられる。
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