2013年4月1日~2014年3月31日の間に全国の46自治体で,妊娠中の両親学級の機会を利用して教育的動画の視聴と効果検証のための調査票の配布を行った。調査票の主な項目は,本人および家族の属性,妊娠がわかった時の状況,泣きおよび揺さぶりに関する知識であり,泣きおよび揺さぶりに関する知識についてはビデオ視聴後にも確認した。5,246人に調査票を配布し4,769人から回収し(回答率91%),泣きに関するおよび揺さぶりに関する知識について回答がある4,647人(有効回答率89%)を分析対象とした。
泣きに関する知識については,視聴前後で17.5点(95%信頼区間;CI;17.1-17.9),揺さぶりに関する知識については,視聴前後で6.8点(95%CI;6.3-7.2)と,有意に知識の増加が認められた。これらは,属性等に関してそれぞれ層別化しても,同様の結果であった。さらに,知識の増加分に対する共変量の回帰分析の結果,泣きに関する知識では,回答者が男性,第1子,うつ傾向ではない者が知識の増加がより顕著であった。揺さぶりに関する知識では男性,第1子,妊娠時の気持ちに「予想外だがうれしかった」と回答した者が知識の増加がより顕著であった。