本論文は研究授業の対象となりにくい単元や新しい教材が現れにくい単元として小学校第6学年「世界の中の日本」を取り上げ、教師はどのような経験にもとづいて目標の設定、教材の選択、発問を計画するのかを明らかにした。事例とした学習指導案およびその作成者の教諭へのインタビューから、授業づくりにおいては学習指導要領、教科書、教師用指導書が参照されるが、学習指導要領で記述されている態度の形成であっても、学習指導要領や教科書、教師用指導書においてその形成方略が不明確な場合には教師が学習指導案に組み入れるきっかけを失ってしまう可能性が高いことを指摘した。