歴史との関係を作り出す小学校歴史学習―Tina Reynoldsの授業実践「個人の歴史」・「家族の歴史」の場合―（査読付）

広島大学大学院教育学研究科『広島大学大学院教育学研究科紀要』第２部第57号

本論文においては、子どもたちと教師が探究によって個人や家族の歴史を作る授業の実践記録を分析し、その歴史学習原理を明らかにした。授業において特定の歴史を教授することは、その歴史に含まれる価値観をも無批判的に子どもたちに注入することになる。本論文では、歴史を「言語による社会的な構築物」ととらえ、子どもたちが作り出したり、作り直したりするものであることを前提にした歴史学習を明らかにし、子どもたちが主体となって、多様な、複数の歴史を作り出す原理を究明した。

pp.59-68