本研究は、保育現場との協働による実習教育を可能とするために作成された「保育所実習指導ガイドライン(試案)」を試行し、その内容について検討することを通して、保育現場との協働による実習教育のあり方を考察することを目的とする。「保育所実習指導ガイドライン(試案)」に基づいて、保育士養成施設教員と保育現場保育士とが協働して実習指導にあたり、その後、実習指導にあたった主任保育士へのインタビュー調査を実施した。その結果、子どもと心を通わす体験を通して気づいていくことを重視していることが明らかとなった。また、その場での指導は困難なものの、保育後等に対話の時間をとることにより、直接対話や日誌のやりとりが実習指導においては効果的であることが示された。また、日誌での対話は、保育士自身の成長と専門性の向上にもつながることが確認された。