本研究では、学生が現場の保育者にどのような指導を望んでいるのか、実習指導における現状と課題を把握し、現場における実習指導の改善点を明らかにし、今後の保育所実習指導者研修に反映させることを目的とした。アンケート結果から、学生は子どもとの関わり方、自分自身の対応、準備してきたものに対して褒められる等、具体的で丁寧な指導を受けることが学生の実習への意欲向上につながると考えられる。実習体験の有り様が保育者志向に影響すると考えられる。保育者に話を聞いてもらうことで、学生は悩みや自身の考えを整理することができ、満足感を得ることにつながると考えられる。
保育者が実習生に対しても同僚性をもって「対話」がしやすい雰囲気を作ることは実習生にとって嬉しく、安心感の下、意欲的な取り組みを生み出す効果的な実習指導につながるものと思われる。