われわれ研究グループでは2012年にこども未来財団の助成を受け、実習指導の一定の質を確保する必要性から「保育所実習指導ガイドライン」(以下ガイドライン)を作成した。また、ガイドラインの実践的検証とともに、ガイドラインについて学ぶ機会としての研修のあり方について検討を重ねてきた。
このような中、2014年に全国的な規模で保育所実習指導者の研修が開催され、前出のガイドラインが用いられた。その後、各地でも研修が開催されるようになってきた。今後の課題は、実習指導者研修の内容や方法等、そのあり方について検討するため、研修の効果を検証することが必要と考える。
本研究は、実習指導者研修の受講が実際の実習指導にどのような影響を及ぼしているのか、その効果を検証するとともに、課題を明らかにし、今後の実習指導者研修のあり方を考察することを目的とする。本報告は、一連の研究の<その1>として、S県において3年間にわたる「保育所実習指導者研修」の企画・運営の主催者の企画意図及び研修実施後の意識、今後の研修に対する意識について面接調査を通して検討した結果を報告することとする。