幼児における疾走動作の観察的評価と疾走能力との関係（査読付）

体育学研究, 67:947-959

本研究は，幼児の基本的な動きの1つである「走る」運動に関して，疾走速度などの量的な指標のみならず疾走動作の質的な指標についても個人差が存在する可能性を念頭に，観察的動作評価法を用いて疾走能力の高い幼児と低い幼児との間にどのような疾走動作の差が見られるのかについて検証した．幼児期の疾走動作については，基本的な動作パターンの習得とともに，より合目的的な動作に近づく動きの洗練化が同時に起こり，複雑な習熟の様相を呈することが特徴的であると言える．また，疾走能力の高い者と低い者とでは具体的に「肘の曲げ伸ばし」や「下肢動作の大きさ」に顕著な差が見られると考えられた．

鈴木康介，後藤悠太，欠畑岳，中田大貴，彼末一之

p.947-959 第一著者として論文に関する実験の実施や執筆などすべてを担当