温熱性発汗部の汗腺活動はヒトの体温調節活動にとって重要な働きをするが,これら個々の汗腺が如何なる神経支配のもとで,如何に汗を分泌しているかを示した報告はほとんどない.それには,温熱発汗部の汗腺の配置が皮膚のシワに埋もれており,これらを直接観察することが難しいことが挙げられる.本研究ではサーモグラフを用いて,温熱負荷中の皮膚小範囲を観察し,汗滴出現時の汗孔部皮膚温低下を観察し,個々の汗腺活動を調べた.各汗腺の活動は,汗腺毎に活動頻度が大きくばらつくことが認められ,先行報告されている精神性発汗部に類似する特徴が観察された。