手掌部の個々の汗腺から汗が拍出される様相をビデオマイクロスコープにより観察し、各汗腺の汗拍出のタイミングを1/30秒単位で記録した。各汗腺の動員のパターンはいつも同じではなく、拍出ごとに異なった。また活発だった汗腺が数十分程度の時間経過の後で非活動的になり、逆にあまり活発でなかった汗腺が活動的になり、経時に対して活動性が変化することが示された。感覚刺激(雑音、光)、運動(ハンドグリップ運動)、暗算刺激を順不同に繰り返しあたえても、特定の汗腺が特定の刺激によって賦活されることはなかった。このように汗腺毎にばらついた汗拍出には汗腺の疲労や活動の周期性などが複雑に影響している可能性が考えられた。