チームプレーの移動運動・軌跡の記録は記録者の主観的印象と手書き記録による抽出であった。本研究は客観的記録抽出を目的とし、このねらいに接近するためにVideo-trackerと呼ばれる装置を用いた。この装置はTVカメラより映し出した画面内にある明暗の際だった点の位置を最大8点まで自動的に追跡でき、その位置を平面座標点としてコンピューターへ即時入力・記憶できる。TVカメラを体育館天井に配置し,床面上でのフォーメーションプレーの記録を試みた.明暗の際だった点を作るためにボールには反射テープを貼り、各選手には反射テープを貼付した帽子をかぶらせ、カメラに近接した位置から被写体に向かって照明をあてた。その結果、ハンドボールのフォーメーションプレー中の攻撃全選手7名とボールの変位をとらえることができ、Video-trackerシステムを用いてプレー中の選手、ボールの位置を自動的に追跡記録できることが示された。