本発表では、新任教員の適応および初任者研修の現状を明らかにするとともに、よりよい適応支援および成長援助の方法を探ることを目的としている。その中で、被災自治体の中でも津波の被害が甚大であった宮城県石巻市を事例として初任者研修や初任者教員の現状を理解するとともに、初任者教員がこの震災とどう向き合い、どのような困難感を抱えているか等についての聞き取り調査の結果について分析、提案を行った。特に本調査では、震災と関わって体育教師が抱える諸問題(震災当初は主要科目が優先され体育の授業が後回しにされた現状、体育館が避難所となったことで体育の授業が多方面での制約を受けたこと、公共施設、社会体育施設のスペースが仮設住宅に変わり、遊びや運動をする場所・機会・時間が極端に減少していること等)についての問題提起を行った。