1998年春,海外旅行傷害保険の加入者が海外で疾病・傷病等に見舞われた場合を対象に,重症者について帰国する空港から当院まで医師・看護婦が同乗するヘリコプターを利用した患者搬送サービスを開始した.その結果,広域の病院ネットワークを構築してこれに対応する必要性が明らかになった.そこで関東地区の病院に呼びかけて検討を重ねた結果,10の医療機関と6社の企業が「救急ヘリ病院ネットワーク」を組織することに合意し,NPO法人設立の手続きを開始した.当初は参加病院と民間企業との間で業務提携契約を結んでヘリコプター搬送事業を実施し,本ネットワークは主として救急ヘリを利用した救急搬送の環境整備を行うこととした.将来的にはネットワークを全国的組織に発展させ,総合的な救急搬送体制を確立したいと考えている。