本研究は、幼児の発育発達の縦断的変化を形態、基本的運動能力、静的・動的バランス保持能力の特徴等の観点から多角的に捉え神経・筋機能のエネルギー調整系に関する考察がなされている。春と冬の経時的変化を性差と性別ごとに検討し、握力の変化率が男児よりも女児の方が大きかった。女児は日常生活で腕や手指を使った活動が男児よりも増えてきていることが推察され、女児の遊びの種類や巧緻性を伴う生活体験が関与していることが示唆され、基本的運動能力は幼児の生活環境や遊び環境に多様な動きが含まれる活動とその頻度が関係していることが考えられた。