第4次食育推進基本計画(2021)を基に、日本では食育が推進されている。小学校、中学校、高等学校では新学習指導要領が告知された。新学習指導要領において、家庭科は食育の充実に資するよう配慮されるべきとされている。大学生アスリートの食知識や食生活状況について、さまざまな課題が報告されている。本研究では、小学校、中学校、高等学校での家庭科における食教育をふまえ、大学生アスリートに必要な栄養教育について検討することを目的とした。
家庭科の学習指導要領では、各学校種における食教育の体系化が明確にされ、その漸進性も認識されるようになった。第4次食育推進基本計画の目標のうち、「ニューノーマル」の概念から推進する食育、持続可能な食と栄養、生活習慣病予防のための食育は、教育課程に具体的に記載されておらず、また、大学スポーツ選手に対する食育においても触れられていない。大学生アスリートに対する栄養教育は、家庭科教育で扱われていない、持続可能な食を支える食育や、生涯にわたり心身の健康を支えるための食育の視点もふまえ実施する必要がある。