学術論文

基本情報

氏名 山崎 博和
氏名(カナ) ヤマザキ ヒロカズ
氏名(英語) YAMAZAKI Hirokazu

名称

トランポリン運動のストレートジャンプにおける経験的知識に関する研究 -着床期前半での跳躍能力別の経験的知識構造と経験的重要度評価から-

単著・共著の別

共著

発表年月

2001/03

発表雑誌又は発表学会等の名称

日本体育大学紀要30(2)

概要

安定したストレートジャンプ(垂直跳び)を運動課題として、ストレートジャンプの経験的知識を抽出し、経験的知識を体系化している知識構造と経験的重要度の評価から適切な動作イメージを想起させる言語表現の抽出2つを検討した。1)跳躍能力水準によって、頭部では3群とも2次元、上肢部と下肢部では3群とも4次元、体幹部の高レベル群と中レベル群は4次元、低レベル群は3次元からなる空間が得られ、これらの空間から、被類似性の変動量の56.1~97.8%が説明可能であった。2)各群の各部位において得られた次元は、高レベル群について頭部では、頭・顔の向き、顎・首の緊張度。上肢部では指の伸展、腕の緊張の程度、肘の伸展、肩の緊張の程度。体幹部では背の伸展、前傾の程度、腰の意識、腰の伸ばし方。下肢部では下肢部全体の緊張の程度、膝の伸展、膝の伸展の過程、脚の意識と解釈された。中レベル群について頭部では、頭・顔の向き、顎・首の緊張度。上肢部では指の伸展・腕の緊張の程度、肩の緊張の程度・手首の意識・腕の位置、腕のリード、腕の動作。体幹部では、前傾の程度、腰の意識、胸の状態、腰と肩胛骨の緊張度。下肢部では下肢全体の緊張の程度、つま先の方向・つま先の緊張の程度、踏み込みの意識・足幅の感覚、膝の意識と解釈された。低レベル群について頭部では、頭・顔の向き、顎の緊張度。上肢部では指の伸展、腕のリード、腕の動作・手首の意識、腕の緊張の程度。体幹部では前傾の程度、胸の動作、腰の伸ばし方。下肢部では足裏の意識、着床の部位、膝の伸展の過程、臀部の意識と解釈された。また、跳躍能力の習得に伴って構造化の特性が最も変容する部位は下肢部であると推察され、安定したストレートジャンプのために着床期前半で意識する部位は下肢部が重要であると考えられる。3)経験的重要度の評価から言語表現の抽出を検討した結果、頭部では妥当な教示は抽出されず、上肢部では「腕の振り上げ準備をする」、体幹部では「重心を中央に置く、体幹部の緊張および維持」、下肢部では特に「足の指でベッドを押しつける」といった言語教示が推察された。

共著者

:山崎博和、平井敏幸、藤田一郎、伊藤直樹、稲垣敦

掲載ページ数

p.311〜p.324