学術論文

基本情報

氏名 山崎 博和
氏名(カナ) ヤマザキ ヒロカズ
氏名(英語) YAMAZAKI Hirokazu

名称

トランポリン運動のストレートジャンプにおける経験的知識の性差に関する研究-着床時および離床時の経験的重要度評価から-

単著・共著の別

共著

発表年月

2002/03

発表雑誌又は発表学会等の名称

日本体育大学紀要31(2)

概要

安定したストレートジャンプ(垂直跳び)を運動課題として、競技力の高い男女競技者を対象として着床期および離床期における経験的重要度の評価から男女の競技者別に適切な動作イメージを想起させる言語表現を抽出するとともに、両競技者間の性差による比較検討を試みた。1)着床時には、上方より落下してきた自体重を有効利用し、より大きな弾性エネルギーを獲得する意識が推察された。頭部に対しては、男女両競技者ともに重要であることを意識していない結果となった。上肢部では、男女両競技者ともに次の跳躍のためと考えられる腕の振り上げ準備の意識がみられた。そして、男子競技者では腕を体側につけておくことも重視していることから、垂直下方へのベッドの沈め込みが示唆され、女子競技者では後方の腕の”振り子運動”を重視していることから、下方向への重心の押し下げが示唆された。体幹部では、男女競技者ともに体幹を緊張させることによる身体の垂直姿勢の維持と安定の意識が示唆された。下肢部では、男女両競技者ともに臀部の緊張を含む、下肢各部の力の発揮によるベッドを押し下げる意識が重要であると考えられる。2)離床時の男子競技者では、頭部を含めた身体の垂直姿勢の維持、上肢部における上方への跳躍方向の決定と脚部の力の発揮に加え、脚部の”線”の表現に重点をおいた意識が示唆される。女子競技者では頭部を含めた身体の垂直姿勢の維持に加えて胸部の引き起こし、上肢部では着床時での”振り子運動”からの一貫した腕の垂直上方に対する振り上げ運動、脚部における力の発揮に加えての”線”の表現に重点をおいた意識が示唆される。3)着床時における経験的知識の重要度の性差に関して、頭部、体幹部は両競技者間に有意な差が認められた項目があるものの、両競技者ともに中程度以下の評価であるため動作的に必要ないと考えられる。上肢部では、「最大に沈み込んだ時は腕を体側につける」項目で男子競技者が肯定的に有意に重視している傾向がみられた。下肢部では、「足幅は肩幅より少し狭い」項目で女子競技者が肯定的に有意に重視している傾向がみられた。4)離床時における経験的知識の重要度の性差に関して、下肢部では有意な差は確認できなかった。また、頭部、体幹部については有意な差が認められた項目があるものの、両者ともに中程度以下の評価であるため動作的に必要ないと考えられる。上肢部では、女子競技者が男子競技者よりも「肘はバランスをとる場合曲げるがほとんど伸びている」「腕を前から振り上げる」「腕を素早く身体から離し上へつり上げる」項目で肯定的に有意に重視する傾向がみられた。

共著者

山崎博和、平井敏幸、伊藤直樹

掲載ページ数

p.49〜p.64