競技者の能力を早期に見出すことは、選手層を充実させ、競技全体のレベルを向上させるためにも重要な要素となる。一方で、競技歴が浅い時期にその違いを見出すことは困難なことから、競技生活の中で能力を見出されずに競技を終える競技者も少なくない。そこで本研 究では、競技者の能力を早期に発見するための方法を模索する手段のひとつとして、脳機能イメージングを用いたアプローチを提案することを目的に実験を行った。被験者はトランポリンの競技経験を有する競技者を対象とした。脳機能イメージングとして光トポグラフィ装置を用いて、トランポリンの演技中に行われる種目を想起している際の、前頭部および 頭頂部の局所脳血液量変動を計測した。種目は、難易度の異なる3種類を採用した。酸素化ヘモグロビン量の変動を比較した。1)それぞれの種目想起時で変動パターンが異なることが明らかになった。2)変動の局在性や竸技歴および競技レベルとの関係についても明らかとなった。