近年、子ども自身が楽しめる主体的な朝の身体活動の実施が注目されており、今後レクリエーションゲームへ
の期待は一層膨らむことが予想される。本研究は、指導者が体育科授業において鬼ごっこの一種である伝承遊び 「子とろ子とろ」を展開する際に必要な配慮に有用な資料を得ることを目的とした。対象は高校生女子68名で、 ゲーム体験後に質問紙による集合調査を実施した。対象者を、自分の前の人に対して身長が「低い」、「同じか少し 高い」(0~5cm未満)、「やや高い」(5~10cm未満)、「高い」(10cm以上)の4群に分類して比較検討した。
結果、自分の前の人より身長が低ければ転びやすく、高ければ転びにくいことが分かった。その一方、前の人 より身長が高ければ手が離れてしまいやすい様子も確認できた。転んだり手が離れやすければ、そのグループの ゲームが早く終わり運動に熱中できる時間が短かくなるのみならず、ケガの心配を増大させることにもつながり かねない。簡単に転んだり手が離れたりせず十分な時間をゲームに熱中させ、なおかつケガを極力防止するとい う意味でも、指導者は子どもの身長高低差に注意してグループ編成をする配慮の必要性が示唆された。