その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 馬場 進一郎
氏名(カナ) ババ シンイチロウ
氏名(英語) BABA Shin-ichiro

翻訳書、学会発表、講演等の名称

幼児期の立ち幅とびおよびソフトボール投げの実態  ~3から6歳児を対象として~

その他分類

国内学会発表

単・共の別

発行または発表の年月

2017/03

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

日本発育発達学会第15回大会

概要

目的】 幼児期は様々な遊びを通して運動の基本動作を習得するとともに運動習慣を身につける上で重要な時期である。しかし、幼児の体力・運動能力に関する研究は成人と比べると十分ではない。そこで本研究では、幼児の立ち幅とびおよびソフトボール投げ(以下ボール投げとする)の実態を明らかにし、子どもの体力・運動能力の向上につなげることを目的とした。
【方法】 対象は私立幼稚園(横浜市)の年少から年長クラスの幼児332人とした(年少:男子44人、女子41人、年中:男子55人、女子54人、年長:男子81人、女子57人)。対象者の年齢、身長、体重をみると、年少(年齢:3.6±0.3歳、身長:97.0±4.0cm、体重:14.8±1.7kg)、年中(年齢:4.7±0.4歳、身長:103.7±4.4cm、体重:16.6±1.9kg)、年長(年齢:5.7±0.6歳、身長:110.4±4.5cm、体重:18.8±2.3kg)であった。測定項目は身長、体重、立ち幅とび、ボール投げ(1号サイズを使用)とした。さらに幼児の保護者を対象に運動習慣に関するアンケート調査を実施した。
【結果および考察】 年齢と立ち幅とびの間には男女とも有意な相関関係がみられ、(男子: r=0.645  女子: r=0.627)、さらに年齢とボール投げの間にも男女とも有意な相関関係が認められた(男子: r=0.628  女子: r=0.647)。次に対象者を男女とも年少、年中、年長に分けて立ち幅とびおよびボール投げの値を比較したが、年長の立ち幅とびの値は年少よりも男女とも約1.5倍大きく、ボール投げでは男女とも年長は年少に比べて約2.1倍大きい値を示した。加えて立ち幅とびおよびボール投げの値を年少から年長の男女でそれぞれ比較したが、男子の立ち幅とびおよびボール投げの値は女子よりも大きい傾向を示し、とりわけ年長では立ち幅とびに比べてボール投げで男女差が大きかった(年長男子:立ち幅とび94.3±17.2cm, ボール投げ5.0±1.7m、年長女子:立ち幅とび88.0±14.1cm, ボール投げ3.7±1.0m)。さらに運動習慣を調査した結果、年少や年中よりも年長で週に1回以上定期的に運動を実施している幼児の割合が多く、運動の内容をみると男女とも体操や水泳が多かった。以上より、年少から年長にかけて立ち幅とびよりもボール投げで男女差が大きくなる傾向を示し、さらに定期的に実施している運動の内容をみても体操や水泳が多く、投動作を含む運動がほとんど行われていなかったことから、特に女子では投能力を高めるためにも日常の遊びの中に投動作を含む遊びをより積極的に取り入れる必要があると思われた。

共著者等

津山 薫、馬場進一郎

掲載ページ数

p60